簡易弾性波速度測定
媒質の弾性的性質を使って、波動の伝播する速度を判定し、地下の物理特性を探る方法が弾性波探査と呼ばれているものです。
弾性波速度は一般にはルーズな物質あるいは多孔質の物質中では遅く、密実な物質では速い性質があります。
この性質を利用して、トンネル調査の岩盤分類(地山分類)や切土のり面の安定性評価など地山の良否を総合的に判定する重要な指標として弾性波速度は活用されています。
弾性波としてはP波(縦波)とS波(横波)とがあり、その特徴は次の通りです。
P波:媒質中を伝播方向に平行に振動して進む波(体積弾性率に関係する)
S波:媒質中を伝播方向に直角に振動して進む波(ねじり弾性率=剛性率に関係する。)
建設省や道路-土質調査指針では岩の成因や生成年代により比較的固結度の高いAグループ(火成岩、変成岩、砂質堆積岩)と比較的固結度の低いグループ(泥岩又は凝灰質堆積岩)に区分しています。
また、硬岩と軟岩との境界を堆積岩の生成年代(地質要素)に求めるならば、一般には第三紀(65~1.6百万年前)と考えられています。