配合試験
路体(盛土)及び発生土が何らかの理由のため重機などの走行に支障をきたし、トラフィカビリティを確保できない場合に、改良材の投入によって安定処理を施し、重機による施工性を確保するために必要な添加量を算出するための試験である。
1. トラフィカビリティを改善する場合はコーン指数qc=400kN/㎡(4kgf/c㎡)を標準とする。(湿地ブルドーザ使用の場合)
2. 圧縮性を軽減する場合は、10年後の圧縮ひずみと一軸圧縮強さの関係(日本道路公団:土質安定処理工法の設計・施工マニュアル、1996)に準じて定める。
3. 安定処理の向上を図る場合は、安定計算の結果に基づき定める。
1. 第2種改良土:コーン指数qc≧800kN/㎡(8kgf/c㎡)
2. 第3種改良土:コーン指数qc≧400kN/㎡(4kgf/c㎡)
3. 第4種改良土:コーン指数qc≧200kN/㎡(2kgf/c㎡)
1. 石灰の添加量は、自然含水比の湿潤土1㎥に対する質量(kg/c㎥)、または土の乾燥質量に対する百分率(%)で表示する。
2. 試験における添加量は、適当と予測される添加量を中心に数%ずつ変化させた3点を標準とする。
1.施工時に締固めを行う場合には「安定処理土の突き固めによる供試体作製方法(地盤工学会基準JGS 0811-2000)」による。
2.施工時に締固めを行わない場合には「安定処理土の締固めをしない供試体の作製方法(地盤工学会基準JGS 0812-2000)」による。
1. トラフィカビリティの改良・・・・・・・・・・室内3日
2. 発生土の改良
施工時に締固めを行う場合・・・・・・・・・室内6日、水浸4日
施工時に締固めを行わない場合・・・・・・・室内7日
1. モールドと底盤の質量m1(g)をはかる。
2. コーンペネトロメーターを鉛直に吊り下げ、荷重計のゼロ点を調整する。
3. 供試体上端部の中央にコーンペネトロメーターを鉛直に立て、1cm/secの速度で貫入させ、コーンの先端が供試体上端部から5cm、7.5cm及び10cm貫入したときの読みから、それぞれの貫入抵抗力を求める。
4. 試料押出し器を用いて試料をモールドから取り出し、含水比w(%)を求める。含水比測定用の試料は、測定個数が1個の場合は突き固めた土の中心部から、2個の場合は上部及び下部から採取する。
5. 試田時の溝が合流したときの落下回数を記録し、合流した付近の試料の含水比を求める。
・「安定処理土の突固め供試体作製方法(JSF T 811)」
・「安定処理土の静的締固めによる供試体作製方法(JSF T 812)」
・「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法(JSF T 821)」
・「セメント系固化材による安定処理土の試験方法(JCAS A-01)」
対象土が軟弱な粘性土であるため、「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法(JSF T 821)」を採用する。
①試料、安定材および安定材をスラリーにする場合は練り混ぜ水の所定量をはかる。
②安定材をスラリーにする場合は、所定の水安定材比で安定材と練り混ぜ水を混合する。
③試料に安定材を加えミキサーで十分に混合し、均一な安定処理土にする。
④安定処理土の含水比(%)をはかる。
⑤安定処理土をモールドに3層程度に分けて入れ、各層ごとに気泡の除去を行って供試体を作製する。
①供試体から水分が蒸発しないようにモールドを密封材で被服する。
②温度20±3℃で所定の期間供試体を静置し、養生する。
③所定の期間養生した安定処理土は、端面を直ナイフなどを用いて平面に整形した後、脱型する。
拘束圧を受けない状態で自立する供試体の一軸圧縮強さを求める試験として日本工業規格「土の一軸圧縮試験方法」(JIS A 1216)を採用する。
土や地盤が自然のままでは工学的に必要な性質を満たしていない場合、その土や地盤の活用をはかるために、安定材(石灰・セメントなど)と土を混合し、この時に起こる化学反応を利用して、土を改良する。
設計強度に対する添加量を決定するためには、適当と予測される添加量を中心に数%ずつ変化させた3点を標準とする。そして、それぞれのCBR値より、安定材の添加量とCBR値の関係を図示し、設計強度に対応する添加量を求める。
(1) 試験に用いる土の含水比を計り、その土の乾燥重量を求める。
(2) 土の乾燥重量に対する百分率(%)で、試料に適当と予測される添加材を中心に数%ずつ変化させた安定材を添加する。そして、添加量の異る3試料作成する。
(3) 安定材が生石灰の場合いったん混合した後、3時間以上適当な覆いをかぶせて放置し、生石灰が消化してから再び混合する。
(4) それぞれの試料ごとに、モールドに3層に分けて入れ、各層67回ずつ突き固め2モールド作成する。
(5) 成形した供試体は、表面をパラフィンワックスなどの密封材で十分被覆した後、6日間空気中養生を行う。
(6) 空気養生後、密封材を取り除き、4日間水浸養生を行う。
(7)その後、CBRの貫入試験を行い、それぞれのCBRの値を求める。