試験・分析・測定業務

コンクリート診断分析

中性化試験

コンクリートの中性化深さの測定方法

測定方法

測定面の準備

a)試験室又は現場で作製されたコンクリート供試体を用いる場合

割裂面を測定面とする場合は、圧縮試験機などで供試体を割裂し、割裂面に付着するコンクリートの小片や粉をはけ、電気掃除機などで除去します。
切断面を測定面とする場合は、コンクリートカッターなどで供試体を切断します。切断時に散水しない場合は切断面に付着するコンクリートの粉をはけ、電気掃除機などで除去し、散水する場合は切断面に付着するのろを水洗いによって除去します。

b)コア供試体を用いる場合

割裂面を測定面とする場合は、a)に準じます。

備考

圧縮強度試験に供するコア供試体を用いて中性化深さの測定を行う場合には、圧縮強度試験時に最大荷重に到達した後できるだけ速やかに除荷して供試体の破損を避けるのがよい。  側面を測定面とする場合は、コア供試体採取後、その側面に付着するのろを水洗いによって除去する

 
c)コンクリート構造物のはつり面で測定する場合

はつり面は、a)に準じてコンクリートの小片や粉を除去します。

参考

コンクリートをはつるとき、あらかじめはつり面の周囲にコンクリートカッターで切れ込みを入れておくと、はつり及び中性化深さの測定が容易になります。

 

中性化深さの測定

a)測定面の処理が終了した後、直ちに測定面に試薬を噴霧器で液が滴らない程度に噴霧します。
b)測定箇所(注1)について、コンクリート表面から赤紫色に呈色した部分までの距離を0.5mm(注2)の単位で測定します。測定は、噴霧後直ちに行う(注3)か、呈色した部分が安定してから行います(注4)。測定位置に粗骨材の粒子がある場合又はあった場合には、粒子又は粒子の抜けたくぼみの両端の中性化位置を結んだ直線上で測定します。

測定箇所に粗骨材の粒子がある場合の測定例

(注1)供試体の割裂面や切断面を測定面とする場合は、中性化の状況に応じて10~15mm間隔ごとに1ヶ所コア供試体の側面を測定面とする場合は5ヶ所以上とするのがよいです。中性化した部分の面積を測定するとより正確に平均中性化深さを算出することができます。
コンクリート構造物のはつり面の場合には、はつり面の大きさに応じて4~8ヶ所程度とするのがよいです。
いずれの場合にもこれらの測定値とは別に最大値を測定する。最大値を示した箇所に施工欠陥などの異常が認められる場合は、その旨記録します。 (注2)コンクリート構造物のはつり面で測定する場合は1mmとしてよいです。
(注3)時間の経過とともに赤紫色に呈色する部分が拡大する場合は、呈色した部分が安定するまで放置するか再度試薬を噴霧して直ちに測定します。
(注4) 1~3日間放置するか、又はドライヤーなどで測定面を乾燥させると呈色した部分が安定します。

 

参考

鮮明な赤紫色に着色した部分より浅い部分に薄赤紫色の部分が現れる場合があります。このような場合は、鮮明な赤紫色の部分までの距離を中性化深さとして測定するとともに、薄赤紫色の部分までの距離も測定するとよいです。

 

計算

平均中性化深さは、測定値の合計を測定箇所数で除して求め、四捨五入でよって小数点以下1けたに丸めます。

参考

中性化の速さを表す方法として、中性化深さ(mm)を養生終了時からの期間(年)の平方根で除して求めた中性化速度係数(mm/ 年)が用いられることがあります。促進試験では、期間の単位に週などが用いられます。

 

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