スクリューウエイト貫入試驗
地盤基礎の設計には、土質定数が必要になります。その定数を現場(原位置)において、地盤に何らかの負荷をかけ、その反応から地盤定数を求める方法があります。
スクリューウエイト貫入試驗ではスクリューポイントが付いたロッドに、荷重による負荷や荷重と回転による負荷を与えて地盤に貫入させます(静的貫入)。
その際の、荷重と回転を測定し、地盤の硬軟又は締まり具合を判定します。
試験装置は、人力で行う手動式と、回転・載荷・試験記録が自動で行われる全自動式などがあります。当社では、どちらの試験装置も所有しています。
この試験方法は、数種類ある貫入試験のうちでは、装置及び操作が容易で迅速に測定が可能です。また、簡易なサウンディングのうちでは比較的貫入能力に優れています。
それらの利点から、概略調査や補足調査など、または戸建住宅などの小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査法として用いられています。
試験は専用ロッドの先端にスクリューポイントを取り付け、調査地点に鉛直に立てます。
次に段階的に規定されている荷重を段階的に(50N、150N、250N、500N、750N、1000N=1kN)を載荷していきます。1000Nの荷重を載荷しても貫入しないときは、ロッドを回転させ、目盛り線(25cmピッチ)まで貫入させるのに必要な半回転数を測定します。
荷重と回転数及び推定される土質から下記の関係が提案されており、その式より換算N値を算出できます。
換算N値との関係
礫・砂・砂質土 N=0.002Wsw+0.067Nsw
粘土・粘性土 N=0.003Wsw+0.050Nsw
Wsw:1000N以下で貫入した場合の荷重
Nsw:1000Nの荷重において回転により貫入させたときの貫入量1m当たりの半回転数(回/m)
スクリューウエイト貫入試驗により、推定される土質と換算N値及び構造物の寸法などを用いて、基礎地盤の支持力を求めることができます。
また注意する点として、この試験方法は主に深さ10m以内の軟弱層を対象に行われ、密な砂質土層・礫・玉石および硬い粘性土層には不適です。
出典:公益社団法人地盤工学会 地盤材料試験の方法と解説